■創刊号■ 刺身の「けん」と「つま」

メールマガジンの創刊号は2005年6月でした。
発行者サイトには次のように掲げました。 

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   居酒屋「酒肴旬菜・あみ亭」の親爺が、酒と肴と料理とその薀蓄を語ります。
賄い料理からおもてなし料理まで。時には、苦労話から自慢話まで。
          −−−中略−−−
  皆様に何かをご指南するとは、たいへん恐れ多いことと存じますが、
  少しでもお役にたつことがあればと、不慣れなパソコンに向かいます。
  ・今宵の酒のつまみや料理のヒントに。
  ・酒席の話題に。
  ・居酒屋や飲食店を開業なさりたい方も。
  ・また、ご同業の皆様も、

 どうぞ 酒盃片手に居酒屋親爺の知ったかぶりに、お付き合いください。
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当初の目論見とは少しずれた内容に次第になってきました。これは料理レシピの記事よりも間に挟んだ、知ったかぶりや戯言が面白いと、読者様の煽てにのせられました結果です。
パソコンの技術は未だに上達しておりませんが、ナントカこのようなサイトを作ることが出来るまでにはなりました。手ほどきを受けながらではありますが。

————– それではぎこちなく始まる創刊号です —————– 
 

 はじめまして。居酒屋、「酒肴旬菜・あみ亭」の親爺です。このたびメールマガジンを発刊することとなりました。
居酒屋おやじの知ったかぶりに どうぞお付き合いください。

 見様みまねで始めた居酒屋稼業です。無知で無謀でした。料理も経営も。
当初は2足の草鞋だったんです。若かったからできたんでしょうが、そのあたりのことは 追々おはなししてまいりましょう。

 始めたころは お客様に話し掛けられるのが、怖かったのでした。刺身のツマとケンの違いを問われ しどろもどろになったこともありましたっけ。
「地鶏の龍田揚げ」をご注文いただき、龍田揚げ は から揚げとどこが違うか聞かれて答えに窮したこともありました。

 

 そんな なつかしの 冷や汗メニュウから始めてみましょうか。


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 ◆◇◆きょうのメニュー(目次)◆◇◆ さしみのカット 

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【1】刺身 その1 「けん」と「つま」

 居酒屋や和食店などで刺身を注文しますと、添え物やあしらいものが盛ってありましょう。大根やきゅうりのせん切りや 青じその葉(オオバ)、おろし生姜、おろし山葵(ワサビ)など。

 これらの添え物を「つま(妻)」といいます。「つま」を更に分けますと「つま」、「けん」、「からみ(辛味)」となります。

 「つま」は大概、刺身の前や脇にあります。赤蓼(アカタデ、アカ芽)、穂じそ、防風(ボウフウ)などが一般的でしょうか。 

 「けん」は大根、きゅうり、人参、時にはカボチャ等を細くせん切りにしたもので、刺身の後ろに高く盛ったり、下に敷いたりします。敷く場合は「敷きづま」とも呼ばれます。  「からみ」は山葵(ワサビ)や生姜などです。

 これら「つま」、「けん」、「からみ」等は盛り付けをきれいに見せるためだけではなく、生臭みを和らげ、消化促進の効果がある、というのはご承知のとおりです。 いっしょに、召し上がってください。

 汁もの や 吸いもの にも「つま」があるのをご存知ですか。
(「知るもんか。」なんて仰らずに。)

 

汁もの、吸いもの では主になる具を「椀種(ワンダネ)」。副の野菜などを「椀づま」。香りをつけるためのもの、ユズや木の芽などを「吸口(スイクチ)」といいます。

  「汁もの」と「吸いもの」の違いをひとこと。

 「汁もの」は味噌汁のように濁ったもので、「吸いもの」とは澄んでいるもの。
と思っていらっしゃる方、多いのですが間違いだそうです。
 
 本来は、酒の肴としての つゆもの が「吸いもの」で、ご飯といっしょに出てくるものが 「汁もの」だそうです。
 「つゆもの」と 言っておけばまちがいないわけですね。

 つゆ知らず、刺身のつまの話からだいぶ それてしまいました。

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【2】今日の賄い

 あまった刺身を使いましょう。

 みなさまのご家庭では残り物の刺身はどのようになさいますか。 「ヅケ」にしてあとで召し上がったり、どんぶり にするなどが 一般的でしょうか。フライパンで焼いたり、アルミフォイルで包んで 蒸し焼きとか、表面をバーナーで炙って、サラダ仕立てなんかもいですね。
 これらは、いづれ賄い料理として、この欄に登場させますが、 残った刺身が白身魚でしたら、こんなのは いかがでしょうか。

 

白身の刺身を皿に敷きます。それにサラダオイルを刷毛で塗ります。
ラップフィルムを被せて冷蔵庫へ。食事時間になりましたら、取り出して卵黄をときほぐし、その上に廻しかけます。それで食卓へ。

 

  召し上がる方は、おろし山葵をのせ、醤油を適宜注ぎます。
よくかき混ぜてからいただきます。酒菜でよし、飯でよし。

 

 上は宇和島の鯛めしからヒントをいただいたものです。宇和島の鯛めしは、鯛をご飯に炊き込むものではなく、鯛の削ぎ身を、玉子を溶きいれたタレに漬け込み ご飯にのせて薬味とともにいただくというものです。

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【3】地鶏の龍田揚げ

 

落語に「ちはやふる」ってぇのがありましょう。知ったかぶりのご隠居が百人一首の珍解釈を、語るてぇやつですね。
 あたしも 知ったかぶりですが まだご隠居じゃありません。

もとの歌は在原業平。六歌仙のうちの一人。
 「千早ふる神代もきかづ龍田川 からくれないゐに水くくるとは」

 落語の龍田川は相撲取りという事になってますが、本来は、奈良の竜田川。からくれない(唐紅)色に、紅葉で紅く染まった川面、というわけ。

龍田揚げは酒、醤油、に魚や肉類を漬け込み、片栗粉をまぶして、あるいは水溶き片栗粉をつけて揚げます。紅葉の色合いに似ているからこの名をもらったんだと。ここまでは、ごぞんじのかたが多いんです。

じゃぁ、紅葉揚げという名だっていいじゃん

 ここで「水くくるとは」が登場。これは くくり染め(括り染め=絞り染め)にしたような、という意味なんですって。

 

熱が通ると片栗粉は白っぽくなる。紅葉色のところに、白っぽい点点が。くくり染めのように見える、紅葉の流れる龍田川、にも似た龍田揚げの完成と相成る。(あんまり似てねえや。)

 

最近では下味つけて揚げたものを、龍田揚げと呼ぶことが多いようです。

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【4】今日の賄い・2《地鶏龍田揚げ 》

あみ亭の竜田揚げ。普通の作り方です。衣に卵白を使うのですが、皆さんもやっていらっしゃるのでしょうか。
 
地鶏もも肉(ご家庭では地鶏でなくても、かまいません) の皮のほうから金串数本で突いて、身のほうは 包丁で筋を切る。適当な大きさに切り分ける。
つけ汁の中に15分くらい漬けこんで、下味をつけておく。
  【つけ汁: 酒2、みりん1、醤油1、生姜の汁すこし】
下味をつけた鶏肉の汁を拭いて、片栗粉をつけ、衣をたっぷり つけて、じっくり揚げる。(160度から170度くらいカナ)ひっくり返しながら。
その衣の作り方は、先ず 卵白を泡立る。ゆっくり落ちるくらいまで。片栗粉を 入れてまぜあわせる。
  【鶏1枚なら卵白2、3個分、片栗粉大さじ 3〜5くらい】

卵白を使った衣、試してみてください。鶏の味を逃さず、仕上がりがきれいに揚がります。

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●地鶏について 少しだけ

 秋田の比内鶏や愛知の名古屋コーチンなどが有名ですが、地鶏の種類も、40種以上あるそうです。
 
 地鶏の定義は、日本農林規格(特定JAS)できまっています。
 在来種由来血液50%以上で、飼育期間80日以上、1㎡あたり10羽以下の放し飼いなど、生産基準、飼育基準があります。
 販売表示も通常の表示に加えて、種鶏の組み合わせ、飼育方法、飼育期間、生産者名なども記すことになっております。
 あみ亭では房総地どり(千葉県)とやまがた地鶏(山形県)を使っています。

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【5】酔中花(編集後記)

♪LAST DATE 1964
(Eric Dolphy、1928年6月20日 – 1964年6月29日 )

■お客が退けてけて片づけも済んだ。
厨房の隅にある 小部屋へひきこもる。
老体を休ませながら一人酒。至福のひと時、 
とまではいきませんが毎夜の習慣となっております。

■きょうの酒は、メルマガ創刊を祝って、ちょいと奮発。
百年の孤独」のオンザロックス。
と、くればBGMはエリック・ドルフィーのアルバム、
「ラスト・デイト」

LAST DATE CD

 

   
百年の孤独/焼酎 

百年の孤独」という名はノーベル文学賞の作家、G.ガルシア=マルケス
の同名の作品からでしょう。この大麦焼酎がこれほどまでに有名になったのはこのネーミングが一役かっている、とおおもいになりませんか。

 そして、なぜか「ラスト・デイト」に収録されている、エリック・ドルフィーの有名な言葉がこの焼酎のボトルに小さな文字で、印刷してあるのです。

 ”When you hear music, after it's over, it's gone in the air.
 You can never capture it again ー”

LAST DATE Eric Dolphy 

 

■今夜はこのあたりで、看板です。
知ったかぶり におつきあいくださいまして、 ありがとうございました。

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