■005号■水飯ダイエット・告白・おいしい水

いらっしゃいませ
 『近頃 メタボといわれているので、ダイエットしようと思っているんだ。
何かよい方法を知らないか』

水飯(すいはん)ダイエット は如何でしょうか。
平安の昔に藤原朝成という人が
試みたそうですが。。。。 (成功しなかった) 


◆きょうの品書き(目次)◆
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【1】水飯(すいはん)ダイエット

 

 水飯はご飯に冷水をかけて食べるだけ。
夏の暑さの為、食欲も失せたとき、
井戸からくみ上げた、冷たくて、うまい水をかけると何とか喉を通ったわけで
して、これを 水飯(すいはん)と呼んだのです。

 以外に古くからあるようで、たとえば 〔源氏物語、常夏の巻〕 には、

いと暑き日、東の釣殿にいで給ひて ー略ー 、ひ水召して、水飯など
とりどりにさうどきつつきくふ
〕 とあります。

 〔枕草子〕や〔栄花物語〕にも水飯が出てくるそうですが、
水飯ダイエットのお話が〔今昔物語〕にありますので、ご紹介いたします。

 今昔物語集 巻第二十八 三条中納言水飯を食う話 第二十三
 「今は昔、三条中納言と云ひける人ありけり」原文はここまでで、

—-以下は——-居酒屋おやじ流現代語訳要約版———
 三条中納言、名を藤原朝成。知識豊富、財力豊か。思慮深く、肝っ玉太く、
体も太く、肥満で苦しみ、医者に相談する。
 医者の処方は、〔冬は湯漬け、夏は水漬けのご飯を召し上がれ〕と。

 
 ならばと、中納言、水飯の用意をさせたが、その副菜がハンパじゃあない。
3寸(約9cm)の干し瓜が10個。大ぶりの頭付き鮨鮎(すしあゆ=なれ鮨の一種でしょう)を30。
 これを全部平らげ、大きな椀に飯をうず高く盛り上げ、水を少々注いで、
2度ほどかき回し、たちまちのうちに平らげ、さらにお変わりを所望。

 これを見て医者いわく
 「ご無礼を申し上げますが、水飯を召し上がるにしても、そのような食べ方をなさると、ダイエットはとてもご無理です。肥満は解消しません。。」

 こりゃダメだと医者は退散。中納言、益々太って、相撲取りみたいに
なったとさ。
              
 

(このおはなしは宇治拾遺物語にもあります。上末二 九四「三条中納言水飯事」)

 

—————了———————- 

 
 
◆◆じゃこ山椒煮水飯◆◆ 
水飯のままでもおいしいのですが、こんな召し上がり方もまた喜ばれるのではないでしょうか。
じゃこの山椒(さんしょう)煮をのせて、水飯をつくるのです。
 

 

 
 ご飯(できれば炊き立て)を、笊(ざる)に乗せ水をかけて、粘りを
洗い流します。その飯を椀に盛る。半分より少なめがいいでしょう。

 それに、じゃこの山椒煮をのせて、お気に入りの水をかける。 
これだけ。飯を洗うときも、お気に入りの水を使えば更によし、
ですが贅沢がすぎるかな。

 お気に入りの水と申しましたのは、ことに水飯の場合は水のおいしさが
決め手ですので。

 
 じゃこの山椒煮は市販品でもいいのですが、ご自分でおつくりになったら、
より旨いものができますよ。

 

  ↓↓↓じゃこの山椒煮・作り方↓↓↓  

  

【2】きょうの賄い・じゃこ山椒煮

 では、じゃこの山椒煮の作り方です。
山椒の実 私のところでは毎年、実山椒(みざんしょう)が出回る時期に(6月ごろ)
1年分を煮て、保存しております。

 ご家庭では、市販の水煮山椒でよろしいでしょう。

  • 1.じゃこをザルに入れたまま、水の中で、汚れを取る。塩気もぬける。
     水を切っておく。
  • 2.底の広い鍋で、酒、醤油、みりんを沸騰させ、山椒を入れる。
  • 3.さっきの水を切ったじゃこを入れ、時々掻き混ぜ、弱火で煮つめていく。
  • 4.煮汁がほとんどなくなったら、経木かキッチンペーパーを敷いた バットに平らに広げる。
  • 5.表面が乾いたら、掻き混ぜる。時々、敷いてある、経木(キッチンペーパー)を
     取り替える。この掻き混ぜ作業は4、5日間毎日やって乾かして下さい。

 材料の目安です。キチンとつくれば1,2週間は日持ちする筈ですから、
少し多めにしましたが、適宜調節してください。
 ちりめんじゃこ:500g。 実山椒:70g。 酒:550cc。
 薄口醤油:150cc。   みりん:55cc。

じゃこの山椒煮,干しています この、じゃこ山椒煮は水飯用のみではありません。
あったかご飯といっしょでも、お茶漬けでも旨いんです。

    

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【3】わが告白・そして、生姜のソルベ(レシピ)

 始めに告白。
 歳をとってから、この喜びを知ってしまいました。男として
恥ずかしながら欲望を抑えきれないのです。

 〔七つ下がりの雨は止み難い〕とか申しますでしょう。まさしく、私が
その状態でありまして、抜き差しならぬ事となってしまいました。

 いえ、色恋の話ではなくて。甘味のことです。色恋のほうが
面白そうだから、そっちを語れと仰るんですか。一つや二つ無くは
ないんですが、また改めてということで、甘いものの話をつづけましょう。

 タバコを止めましてから、10年ほど経ちます。功罪は両方ありましょうが、
功のひとつは、甘いものの味がわかるようになったことでしょうか。
 タバコを止めれば、甘いものの味がわかるようになるのかどうかは、
本当のところはわかりません。

俺はタバコぐらいで物の味がわからなくなるような、柔な舌じゃあねえ
そういう方も、もちろんいらっしゃいます。
 若いころ、甘いものを口にしなかったのは 気取っていただけなのかもしれません。近ごろは和菓子も洋菓子も、気に入りの店までわざわざ出向くこともあります。

 あみ亭のさっぱり夏向きデザートに、生姜のシャーベット(ソルベ)があります。以前に西洋料理屋の大将(ハイカラにいうとシェフ)に教わったレシピです。ご家庭でも簡単できると思います。お試しください。

——- 生姜のシャーベット(ソルベ)—作り方—
量は5人分くらいの目安。

  •  生姜(土生姜)は洗って皮付きのままおろし金でおろす。布に包んで
    絞る。絞り汁約30cc。(土生姜約、小1個位か。)
  •  鍋に600ccの湯を沸かし、グラニュー糖150gを入れ、溶けたら
    ボウルにあけ、底面を氷水につけて冷やす。
  •  さっき作りました生姜汁30cc、レモンの絞り汁15cc、白ワイン45cc
    を足して、かき混ぜ冷凍庫で凍らす。
  •  固まったら取り出し、スピードカッターでネットリさせ、また冷凍庫で
    凍らす。2時間ほど経ちましたら、もう一度スピードカッターにかけて冷凍庫へ。
  •  飾り用の生姜のかけらをつくります。皮をむいた生姜を薄くスライスして
    熱湯に通す。小鍋で水100ccを沸かしグラニュー糖15ccを加えた中に
    さっきの生姜スライスを入れて弱火で少し煮詰める。そして冷やす。
  •  冷やしておいた器にシャーベットを盛り、上に煮詰めて冷やした生姜の
    かけらを 1,2片かざるだけ。

 スピードカッターなければ、スプーンで掻き混ぜ、冷凍庫へ入れ1時間。
これを3回ほど繰り返す。空気が良く混ざれば、滑らかな舌触りの
シャーベットが出来上がる。。ハズ

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【4】七つ下がりの雨

 さっきの〔七つ下がりの雨は止み難い〕の説明しろ、とおっしゃるんですか。
こんな言葉、お客さんのようなお若い方は、お使いになりませんよね。
 お話しますけれど、長いですよ。眠らないでください。
もう1本、燗を付けましょうか。あたしのおごり じゃあありませんよ。

 七つ下がりは現代の時刻で言えば午後4時ごろ。午後に降り始めた雨は
なかなか止まない、降り続く。人生の午後、つまり中年になって覚え始めたこと、
滅多に終わらずあとを引く。特に遊びごとや色恋沙汰(いろこいざた)。
 
 若いときに遊んでいた連中より、年取ってからナニに夢中になったら
怖いよと、戒めてとこかな。
大丈夫ですよ、あたしは。2つや3つ覚えがあるって、申し上げたでしょう。
ん? さっき言った数と違ったかな。

 江戸時代の時刻は少し難しいですよ。例によって、端折りますね。

 まづ、1日を12に分け、十二支(じゅうにし)を当てはめます。
子・丑・寅(ね・うし・とら)・・・・ていうあれ。

 年がら年中てことを四六時中(しろくじちゅう)というでしょう。
4×6=24時間だから今はこれでいいんです。
江戸時代は、二六時中といったんですって。2×6=12刻ですから。

 この時代の呼び方で今に残っているもの、たとえば〔正午〕は午の正刻
(うまのしょうこく)の略、〔午前〕〔午後〕は午(うま)の刻の前、後
ということです。
 さっき、甘いもののお話しましたが、〔お八つ〕というのも
この時代の呼び方。

 時刻を数で呼ぶときは、子(ね)の正刻を九つとして、これが基点
次の丑(うし)の正刻は八つ。9×2=18。十の位を省いて、八つとした。
では寅(とら)の正刻は?正解9×3=27。十の位を省けば、七つ

 以下、六つ、四つ、三つ、、、と続き 午(うま)の刻で九つにもどる。
間の時刻を九つ半、八つ半、、、と言います。
 ナゼ、基点が九つなのか。陰陽道(おんようどう、おんみょうどう)では
最高にめでたい数だそうですな。

 同じ数の刻が2度づつあるので、区別する語をつけます。

  • 夜の九つから明け六つまでを〔
  • 明け六つから五つ半までを 〔
  • 朝五つ半から八つ半までが 〔
  • 昼八つ半から暮れ六つまでが〔
  • 暮れ六つから夜九つまでを 〔

 今暁の八つ半、とか昨夜四つ半のように使います。

 ところがですね、江戸の庶民は日の出、日の入りを基点に
明け六つ、暮れ六つを決める不時法を用いたりして、幕府天文方とは
かなりのずれが生ずることもあるようです。
1日を12等分して一刻が
単純に2時間ということでもないようですし、かなりややこしいものです。

 お客さん。やっぱり、寝ちまいましたね。

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【5】〔酔中歌〕(編集後記)

 きょうの、水飯も生姜のシャーベットもおいしい水でつくってください。
ガキのころは、井戸水やら湧き水など いい水があったなあ。旨い水が。

◆◆♪AGUA DE BEBER ( Antonio Carlos Jobim 、Vinicius de Moraes)
邦題:〔おいしい水

 「おいしい水」ってお酒のことを唄っているのだとずっと思っていました。ですが原題のポルトガル語AGUA DE BEBERは〔飲み水〕という意味なんだってね。湧き水に感銘を受け、自然の恵みの神秘をたたえてつくった曲だって。「あなたは雨私は花・・」愛の歌でもあるわけだ。

 ところがのん兵衛には「おいしい水」、はお酒のことだと、聞こえています。
 甘いものもいけるけど、
酔っ払いの居酒屋おやじですから。あたしは酒をたたえて唸りますね。

♪アガジベベ〜,アーガジベベ〜カマラ〜  てかっ。

 失礼しました。
 懲りずにご来店ください。
 ありがとうございました。
———-ポルトガル語講座————–
Agua de beber, Agua de beber camara
♪アグア ジ ベベール カマラー
 
・agua(アグア):水(女性名詞)
・de(ジ):〜の(前置詞)
・beber(ベベール):飲む(動詞)
・camara´(カマラー):仲間、友だち
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